紅葉の豪徳寺と世田谷の歴史スポットを巡る

2022年11月29日(火)の「仲間と街歩き」は、「世田谷観光ボランティアガイド」によるガイドツアーで実施しました

豪徳寺は曹洞宗の寺院で、彦根藩主・井伊家の江戸における菩提寺です。江戸時代始めの再興について「まねきねこ」の逸話が残されています。

ある日、井伊直孝が鷹狩りの帰りに、この地を通りがかり、門前にいた猫に手招きされました。お寺に立ち寄り、和尚と話していると、突然、雷が鳴り、雨が降り始めたそうです。直孝は雷雨を避けられた上に和尚との話も楽しめたと、お寺を支援するようになりました。こうして豪徳寺は再興を果たしました。

この逸話により、豪徳寺では福を招いた猫を招福猫児(まねきねこ)と呼んで、招福殿を建てて、お祀りするようになりました。

境内には、モミジなど色づく木々が多く、この季節には華やかに彩られます。

紅葉が美しい豪徳寺参道

井伊家の墓所には、幕末の大老、13代井伊直弼や、代直孝等のお墓がありました。井伊直弼は幕末に起こった「桜田門外の変」で落命しています。

井伊直弼の墓所


この日は松陰神社へも参拝しました。安政の大獄に連座した吉田松陰の死から年後、松陰門下生であった高杉晋作、伊藤博文等によって、小塚原回向院にあった松陰の墓はこの地に改葬されました。近年は学問の神様として訪れる人が絶えません。

吉田松陰の墓所

安政の大獄で刑死した吉田松陰と、桜田門外の変で落命した井伊直弼のお墓が、すぐ近くにあることには感慨深いものがあります。

途中で訪問した世田谷代官屋敷は江戸時代中期以来、彦根藩の世田谷領20カ村の代官を世襲した大場家の住宅兼仕事場です。今では、大場家は世田谷信用金庫の経営に関わっており、現代も世田谷信用金庫の理事長ほか、要職を務めています。

世田谷代官屋敷の表門

残念ながら、この日は終日どんよりした曇り空でしたが、傘が必要となるほどの雨に見舞われなかったのは、招福猫児(まねきねこ)のご利益だったのかもしれません。(JT)

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